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マインドフルネス

マインドフルネス

マインドフルネスとは

マインドフルネスとは、瞑想などの方法を利用して、呼吸に意識を集中し、何も考えず「無」の境地をつくり出す心の訓練のことです。
過去の経験や先入観といった概念にとらわれることなく五感に意識を集中させ、「今、瞬間の気持ち」「今ある身体状況」といった現実をあるがままに受け入れる心を育みます。
これによって、自己の感情を客観的に捉えることができるようになり、困難な問題や対処し難いストレス、社内の難しい人間関係などに直面した場合にも対処しやすくなるとされています。

マインドフルネスが世界中に普及するきっかけとなったのは、マサチューセッツ工科大学医学名校名誉教授のジョン・カバットジン博士です。
マインドフルネス瞑想を医学的に取り入れ、慢性的な痛みとの共存を目的としたプログラム「マインドフルネスストレス低減法」を開発しました。
8週間のマインドフルネス瞑想法では、扁桃体の反応が穏やかになり海馬と前頭前野が活性化し、ストレス軽減・能力アップしたという科学的な裏付けがあります。
マインドフルネス瞑想を行うことで余計な雑念が消えるため、集中力を高める効果があるとされており、他にも不安やストレスに押しつぶされた状態から解放されることで、心身のコンディション維持に期待できます。
このような効果のあるマインドフルネスによる瞑想はビジネスシーンでも多用されるようになりました。
また、仏教の瞑想法を取り入れて生まれたものですが、宗教色を一切廃しているため、誰にでも抵抗なく実践できるのも広まった一因です。

どうしてマインドフルネスがビジネスで注目されたのか

マインドフルネス瞑想が多くの企業で支持される背景は、企業現場が抱える課題と関係します。
個人のパフォーマンスの課題やメンタルヘルスの問題です。
このような状況で生まれ、ビジネスの世界で広がったのが、グーグルが開発したマインドフルネスメソッドです。
「Search Inside Yourself(SIY)」と呼ばれるこのマインドフルネスメソッドは、グーグルの社員が積極的に実践されており、ストレスの軽減や創造的な解決策の発見など、様々な効果が報告されています。
それから、アップルやグーグル、フォードなどのアメリカの企業を中心に、社員研修の一環としてマインドフルネス瞑想を取り入れたことで知名度を高めました。

マインドフルネス(mindfulness)の語源

「マインドフルネス」の語源は仏教にあるとされています。
仏教の教えである「念(パーリ語の sati サティ)」の英訳語であり、「正しい気づき」という意味で使用されています。

マインドフルネスによって得られる効果とは

マインドフルネスを実践することで、さまざまな効果が得られることがわかっています。

集中力が高まる

マインドフルネスを行うことにより集中力が高まると言われています。余計な考えを捨てることができるので、今、目の前にあることだけを集中できる力を養うことができるのです。
また、記憶力やスピードも高まるため、作業や学習の効率化が図れます。
マインドフルネスは何度も繰り返すことで、より高い集中力を発揮できるともいわれており、継続的にマインドフルネスを行うことで、その効果はより高まるとされています。

ストレス解消

マインドフルネスはストレス軽減の効果があるとも言われています。呼吸に集中することで、恐怖や不安を司る偏桃体と呼ばれる脳の部位の活性化を抑え、ストレスが緩和されます。
また、遺伝子に働きかけて、重大な健康リスクを減少させる可能性があることがわかりました。英国とオランダのグループが約10年間の調査や研究を精査して発見したものです。

抗炎症効果

マインドフルネスには抗炎症効果があるとされています。
オハイオ大学では、乳がんを克服した被験者200名を100名ずつのグループに分けて、3か月後に血液検査を行いました。
その結果、マインドフルネスを行ったグループは、炎症マーカーの数値が10~15%減少したのです。
マインドフルネスにはメンタル面の安定だけではなく、身体面の抗炎症効果も期待できると分かっています。

マインドフルネスに向いている人・向いていない人

インドフルネスは、自分自身の感情や状態に注意を向け、その状態を肯定的に受け止めることにより、ストレスや不安を緩和する効果があるとされています。
そこで、マインドフルネスが向いている人、向かない人について解説します。

マインドフルネスに向いている人とは

マインドフルネスは、仕事や勉強の集中力を高めたい人におすすめです。マインドフルネスを行うことで、ストレスを軽減することができ、集中力が高まるとされています。
次にストレスや不安を抱える人に向いています。自分自身の感情や状態に注意を向け、その状態を肯定的に受け止めることにより、ストレスや不安を緩和できます。
最後に心身のリラックスを目的とする人におすすめです。マインドフルネスを行うことで、リラックス効果が得られます。

マインドフルネスに向いていない人とは

まずは、メンタル系に課題を抱えている人です。
マインドフルネスにはメンタルに効果があるという研究結果はたくさんあるのですが、逆に状態が悪化するという研究結果もあります。
メンタルの課題はさまざまな種類がありますが、その中でも自分を責める傾向が強い、内側に自分を否定する傾向が強い人の場合、自分をより責めてしまうかもしれません。
そのため、自己流ではなく、通院しながらまたは医師やカウンセラーのサポートを受けながら始めるとよいでしょう。

次に意欲がわかずテンションが低い時です。
マインドフルネスは副交感神経と交感神経のバランスが整うなど良い面もありますが、マインドフルネスではリラックスする副交感神経が優位になりますが同時に代謝も落ちてしまうのです。
マインドフルネスによって、さらに気分やテンション、代謝が低くなってしまい、ますます動きにくくなるということがあり得るかもしれません。

マインドフルネスは万人にいいとは断言できません。これらの部分を見極めてリードしてくれる人がいるかいないかで変わってきます。

マインドフルネスを始める前に知っておきたいこと

マインドフルネスを始めるうえで、最も大きなハードルは継続することにあります。
ジムへ行って筋トレを行うように、「今ここ」に意識を置く力とその効果は、マインドフルネスの日々のトレーニングによって培われます。
そのたえ、マインドフルネスのポジティブな効果を理解して、目標意識をもって挑むことが大切です。
一緒に続ける友人がいるとより続けやすいでしょう。また、専門知識を持った人に教わるとよいでしょう。

マインドフルネスのやり方

マインドフルネスはシンプルな3ステップで説明できます。

良い姿勢で座る

床に座布団を敷き、その上にあぐらをかいて腰かけ、良い姿勢を作ります。椅子や正座でも問題ありません。
手のひらを下に向け、膝や太ももの上に置き、背筋を伸ばします。目は完全に閉じるのではなく、伏し目がちにして遠くを眺めます。

自分の呼吸に意識する

今まで無意識だった自分の呼吸に意識してみましょう。

感情や思考が浮かんでも追わない

マインドフルネスの最中、色々なことが頭を駆け巡るはずです。何か頭に浮かんだとしても、それを追いかけず、意識を呼吸に戻します。
感情や思考に何も判断を加えず、そのままにして、ただ呼吸に戻ることで、「今」に戻ってくる練習になるわけです。
意識を抑えるのではなく、呼吸を操作するでもなく、自然に呼吸を続けていると今、この瞬間に生きていることが実感できるでしょう。

マインドフルネスの効果が出るまでの期間とは

マインドフルネスにはさまざまなメリットがありますが、実践してからすぐに効果を実感できるわけではありません。
一般的に、マインドフルネスの効果が得られるのに個人差はありますが、始めてから2ヶ月ほどかかるといわれています。
体を鍛えるエクササイズと同じように、脳や心の使い方を練習しないと、マインドフルネスの効果はなかなか実感できません。
しっかり継続することで、自分自身の心や体が少しずつ変化していくでしょう。
ただ、継続するのは難しく、ほとんどの人が数日から数週間で挫折して辞めてしまいます。
途中で挫折して辞めないためにも継続し、習慣化することが重要です。

マインドフルネスを習慣化するには

では、どのようにしてマインドフルネスを習慣化すればいいのでしょうか。

動機を思い出す

マインドフルネスを習慣化するためのコツとして動機を思い出すことです。
マインドフルネスを始めたきっかけは何でしょうか。
継続するためには始めたいと思った動機を時々思い出してみて、原点に立ち返ってみてください。
そして、始める前と現在で、その動機に対してどのくらいの効果が出ているか振り返ってみましょう。

毎期決まった時間、場所で行う

まずは5~10分でいいので、毎日決まった時間・場所でマインドフルネスを実践するルーティンを作ることが大切です。
始めるのにおすすめの時間帯は朝。朝は睡眠で脳の疲れも取れていて、比較的雑念が起きにくい時間帯です。
ただ、起床直後だと眠気があるので、顔を洗った後、朝ごはんを食べる前のタイミングがいいでしょう。
また、夜もマインドフルネスを行うことでよく眠れるという人もいるので、自分にあっている時間帯でかまいません。

プロのレッスンに参加する

ひとりでマインドフルネスを継続することが難しい場合、プロのレッスンに参加してみましょう。
正しいマインドフルネスの方法を教わることで、より継続しやすくなるはずです。

まとめ

グーグルから広まり、世界で広まるマインドフルネスですが、欧米ではビジネスパーソンに必須なスキルとして認知されています。
つまり、マインドフルネスは一生を豊かにするスキルといえるでしょう。
マインドフルネスは上記で紹介したとおり難しいことはありません。毎日継続して実践していれば、誰でも身につけられるでしょう。

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